欠席時対応加算は、就労継続支援B型の利用予定日に、利用者が急病等で当日欠席となった場合に、事業所が相談援助を行ったことを評価する加算です。1回あたり94単位、月4回まで算定でき、令和7年12月時点での取得率は75%と、B型加算のなかで最も多くの事業所で算定されています。

加算自体はシンプルですが、運営指導では「相談援助の記録が残っているか」「事前確定の休みと当日急遽の欠席を区別できているか」が確認されやすく、書類整備の側で差が出る加算でもあります。本記事では、算定要件と相談援助の記録のあり方を整理します。

1. 加算の概要

欠席時対応加算は、利用者の急病等により利用予定日に当日欠席となった場合に、事業所が利用者・家族等への連絡調整や相談援助を行ったときに算定できる加算です。

  • 単位数:94単位/回(B型)
  • 算定上限:同一月内で4回まで
  • 利用者負担:当該欠席日に係る利用者負担の支払いはなし

利用予定だった日に通所できなかった利用者へのフォローを評価する仕組みで、通所頻度が安定しない方や、体調変動の大きい方を多く受け入れている事業所では、毎月の算定回数も積み上がりやすい加算です。

2. 算定対象となる「欠席」の範囲

欠席時対応加算で算定できるのは、あくまで「当日急遽の欠席」です。具体的には、利用者の急病、家族の急な事情など、利用者側のやむを得ない事情によって、当日になって通所できなくなった場合が想定されています。

一方で、次のようなケースは欠席時対応加算の算定対象には含まれません。

  • 利用者から事前に連絡があり、前もって欠席(休み)として把握できていた日
  • 旅行・行事等で予定された休み
  • 事業所側の都合による休業日(年末年始、振替休日等)
  • 通所予定日でなかった日

通所予定の管理上、「事前確定の休み」と「当日急遽の欠席」を別の状態として整理しておくと、月次の算定対象を確認するときに混乱が起きにくくなります。事業所内では便宜的に「休」「欠」と区別している現場も多く、これは欠席時対応加算の算定対象を見極めるうえでも有効な整理です。

「急病等」は厳密に医師の診断書がある必要はなく、利用者・家族からの申し出に基づき判断する形で問題ありませんが、判断の根拠となるやり取り(電話・メール等の連絡内容)を記録に残しておくことが前提となります。

3. 相談援助の内容と記録のあり方

欠席時対応加算は、「欠席の連絡を受けた」だけでは算定できません。事業所として、利用者・家族等への相談援助を行ったことが要件になります。

実務的に相談援助として記録される内容は、たとえば次のようなものです。

  • 体調の確認(症状、医療機関受診の有無、当日の様子)
  • 次回利用日の調整(次の通所日の確認、送迎の調整等)
  • 家族の支援状況の確認(介護負担、家庭内の事情の把握)
  • 必要に応じた他機関との連絡調整(医療機関、相談支援専門員等)

記録のフォーマットは事業所ごとに様々ですが、最低限「いつ・誰が・誰に・どのような方法で・どのような内容のやり取りをしたか」が後から辿れる形で残っていることが大切です。電話連絡記録、業務日誌、ケース記録のいずれに記載してもよく、項目を欄として持つフォーマットを用意しておくと、記録漏れが減ります。

「欠席連絡を受け取り、次回の通所予定を確認した」程度の簡潔な記録でも、相談援助の事実として認められる範囲にはありますが、内容が単一の場合は機械的な処理に見えやすく、運営指導で個別の事情に応じた援助だったかが確認される場合があります。利用者の状況に応じた言及(体調、家族状況、次回利用への配慮等)を一文添えておくと、援助の質が記録から読み取りやすくなります。

4. 運営指導で確認されるポイント

欠席時対応加算は、取得率が高い加算であり、運営指導でも算定の妥当性が確認されやすい加算です。確認のポイントは大きく3つです。

ひとつめは、相談援助の記録の有無と内容です。算定回数分の相談援助記録が残っているか、内容が単純な定型文の繰り返しになっていないかが確認されます。「欠席連絡受領」とだけ記載された記録が並んでいる状態は、算定の妥当性が疑問視される典型パターンです。

ふたつめは、当日急遽の欠席かどうかの判定です。事前に連絡があった「休み」を欠席時対応加算の対象としていないか、通所予定(事業所内の予定表)と欠席記録を突き合わせて確認されます。送迎計画や利用予定の管理を、欠席時対応加算の算定可否と紐づけて運用しておくと、後から確認しやすくなります。

みっつめは、月4回上限の管理です。同一月内に同一利用者について5回以上算定していないか、システム的にも確認可能な状態にしておくことが望まれます。算定が多くなる利用者については、月末時点での算定回数を把握できる仕組みを整えておくと安心です。

5. まとめ

欠席時対応加算は、就労継続支援B型のなかで最も取得率の高い加算であり、利用者の体調変動や家族の状況に寄り添う支援の積み重ねを評価する加算です。算定要件自体はシンプルですが、運営指導では「相談援助の記録」「当日急遽の欠席かどうかの判定」「月4回上限の管理」の3点が確認されやすく、書類整備が算定の妥当性を左右します。

日々の連絡記録を継続的に整え、通所予定と欠席状況を分かれて管理できる仕組みを持っておくことで、運営指導に備えながら、加算を安定して算定できる体制になります。

行政書士杉山翔事務所では、就労継続支援B型の指定申請、運営指導対策、各種加算届出に関するご相談を承っております。「うちは欠席時対応加算を算定しているが、記録の整え方に不安がある」といった切り口でも構いません。

ご相談はお問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。

※ 本記事は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づくサービス提供に係る各種告示および厚生労働省関連通知を参照して整理しています。各加算の最新の算定要件・単位数は、最新の告示・通知をご確認ください。